今回の北京滞在が久々ということもあって
とにかく会う人ごとに
「最近の北京はどう?」
と聞きまわりました。
友達だけでなく、タクシーの運転手や
出勤時に新聞を買っていた売店の兄ちゃん
ビールを配達してもらった雑貨屋のおじさんに至るまで。
そんな彼らは一様に
「とにかく食費と家賃が上がったね」
と答えていました。
食費については滞在中一度でも自炊するチャンスがあれば、
はっきりわかったと思うのですが、
ただ、当時よく行っていた水餃子の店で食事をした時に
(食器が欠けてるのはご愛嬌。
でも味は本当に格別です)
高くなったな、ということを感じました。
しかし私自身の印象は
とにかく車が増えた!
ということでした。
私が初めて北京を訪れたのは7〜8年前のことでしたが
その時はまだ自転車の街でした。
のちに私が北京で暮らし始め
オリンピックが終わる頃には
あれよあれよという間に車が増えていき
午後3時を回ると渋滞が始まると言われるようになりました。
それが今では、午前中から切れずに続くようになっていたのです。
日曜日の午前10時。
やや不便な場所にあるお茶の市場に行った時のこと。
行けるところまでバスで行き、あとはタクシーにすればいいや、
とそんなことを考えて出かけたものの、
タクシーに乗り込みちょっと走っただけで大渋滞。
曲がることもUターンすることもできなくなってしまいました。
運転手は
「その先の角を曲がればすぐだよ」
と言うので(北京の人の「すぐ」という感覚は、
日本人の倍以上の距離があるので注意が必要ですが……)
タクシーを降りて歩くことにしました。
しかし、渋滞していたのはその道路だけで、
そこから先はまだ大したことはありませんでした。
日本の友達に頼まれた分まで大量にお茶を買い
春節前でごった返す郵便局で船便にして送り外へ出てくると、
なんと渋滞はその路地まで広がっていたのです。
次の用事の場所に向かわなくてはならず、
そこまでタクシーで、と考えましたがそれも無理。
タクシーの運転手は
「最寄りの駅まで乗って、そこから地下鉄で行くのが一番早いね」
と言うので、素直に従うことにしました。
それでも約束には大遅刻。
昼も過ぎ、客もほとんど帰ってしまったレストランで友達は
「仕方ないよ。去年の一年間で、
北京の自動車の台数は、香港で走っている数と同じだけ増えたからね」
と教えてくれました。
その後、馴染みの売店で買った新聞を開くと、
今年から北京は自動車の購入が抽選制になり、
その確率は12人に1人とありました。
これでやっと渋滞にブレーキがかかるよ、
とその友達は話していましたが、
物価は上がっても景気の良さは
以前と変わっていないように見える北京だけに、
なんとしても車を手に入れようとする人は増え続けるのではないか、
と私自身は思うのですが……。
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