春節といえば中華街でみられるように爆竹を鳴らして盛大に祝うもの
というイメージがあると思いますが、
本場の中国では
「盛大」
などという生やさしい言葉でいえるものではなく、
あまりいいたとえ方ではありませんが
「戦場」
……そんな状態でした。
その時私が訪れていたのは北京郊外の新興住宅地。
餃子や魚など年越しの料理を食べて、麻雀などで楽しんだ後、
日付が変わる頃になると、あたりが騒然としてきます。
中心部だと、規制が入っているので遠慮があるものの
(それでも日本の感覚だと「ありえない!」規模なのですが)
地下鉄とバスを乗り継ぎ、1時間以上離れた場所なので
遠慮してどうする!
という感じです。
爆竹だけでなく、打ち上げ花火もすぐそばで炸裂して
しかもまわり中、どこでも「どかどか」と爆発。
音と火薬のにおい、さらにもうもうと立ち込める煙で
ここは一体どこ?
という気分。
使う爆竹も、半端無く大きなシロモノ。
(実は日本円で1万円近くするそうです)
これに火をつけるわけです。
どれだけ凄いことになるか、想像がつくかと思いますが。
打ち上げ花火も、専用の発射装置で。
こちらは中心部のマンションでの打ち上げ花火。
こういう打ち上げ方が、普通に見られます。
翌日になったらなったで
あたりの道路は真っ赤な燃えカスで層をなしていました。
(その掃除が大変だということもニュースになっていますが)
そんなにやって危険じゃないのか、と思われるでしょうが、
……その通りです。
私も着ていたダウンジャケットに火の粉が飛んで穴があき、
顔にもやけどをしました。(すぐに治りましたが)
この時期、病院も普段よりスタッフを増員すると聞きます。
もともと雨が少ない北京、
特に今年は100日以上雨が降っていないので
火事にも気をつけてもらいたいのですが……。
そんな春節ですが、
家族が集まり、本当に楽しくて大切な冬の一大イベントです。
だからどんなに混んでも
どれだけチケットが取りにくくても
中国の人たちは実家に帰ろうとする――
春節を現地で過ごしてみて
その想いがちょっとわかったような気がしました。
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